膀胱がんのステージ(TNM分類)と治療方針
膀胱がんのステージとは
膀胱がんのステージは、がんが膀胱内でどれだけ広がっているか、そして他の部位へ転移しているかによって決まります。国際的に標準化されている TNM 分類が主に用いられ、以下の3要素で評価します。
T ステージ(腫瘍の大きさ・浸潤深さ)
膀胱壁内での腫瘍の位置と浸潤範囲を示します。段階は Ta から T4a まであります。
- Ta:粘膜内にとどまる非浸潤性乳頭状癌。膀胱壁を貫通していません。
- T1:粘膜下結合組織(粘膜固有層)に浸潤。
- T2:膀胱筋層(筋層)に浸潤。
- T3:膀胱周囲脂肪組織に浸潤。
- T4a:前立腺、子宮、直腸など隣接臓器へ浸潤。
N ステージ(リンパ節転移)
近傍のリンパ節への転移の有無を示します。
- N0:リンパ節転移なし。
- N1:単一の局所リンパ節に転移。
- N2:複数の局所リンパ節に転移。
- N3:骨盤外(鼠径部・傍大動脈リンパ節など)へ転移。
M ステージ(遠隔転移)
膀胱や近傍リンパ節以外の遠隔部位への転移の有無です。
- M0:遠隔転移なし。
- M1:遠隔転移あり(他臓器や遠隔リンパ節)。
総合ステージ(0〜IV)
TNM の組み合わせに基づき、臨床的に 0 から IV までのステージに分類されます。
- ステージ0:Ta, N0, M0(非浸潤性乳頭状癌)
- ステージI:T1, N0, M0(粘膜下結合組織への浸潤)
- ステージII:T2, N0, M0(筋層への浸潤)
- ステージIII:T3, N0/N1, M0(周囲脂肪への浸潤)
- ステージIV:T4a, 任意の N, M0 または 任意の T, 任意の N, M1(隣接臓器侵襲または遠隔転移)
ステージは治療方針や予後評価の重要な指標となります。早期であれば膀胱温存手術や局所切除が可能ですが、進行例では根治的膀胱全摘や全身化学療法が検討されます。
