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浸潤性小葉がんの治療法

乳房の解剖

浸潤性小葉がんを理解するには、がんが乳房のどこに発生するかを知ることが重要です。乳頭から乳管が伸び、そこから小葉が分岐しています。乳管と小葉は樹枝のように広がり、周囲は脂肪組織と結合組織で構成されています。浸潤性小葉がんは小葉内で異常な細胞が増殖し、これが脂肪や結合組織へと広がると「浸潤」と呼ばれます。

リンパ系

リンパ系は全身に張り巡らされた管状ネットワークで、白血球を含むリンパ液を運搬します。途中にあるリンパ節は感染やがん細胞のフィルター役割を果たします。浸潤性小葉がんの治療では、がんがリンパ系に転移しているかどうかを確認し、転移が認められた場合は対象リンパ節の除去が重要なステップとなります。

リンパ節除去

がんが乳房組織からリンパ系へ転移した場合、まず「センチネルリンパ節」生検が行われます。センチネルリンパ節は腫瘍部位から最初に到達するリンパ節で、ここにがんがあるかどうかで他のリンパ節の切除範囲が決まります。場合によっては腋窩(わきの下)リンパ節全体を摘出することもあります。

乳房温存手術(ルンプクトミー)

小さな腫瘍の場合、乳房温存手術が選択されます。外科医は腫瘍とその周囲の正常組織を十分なマージン(安全域)を確保しながら切除します。浸潤性小葉がんは細かな突起(テントクル)を伸ばしやすく、完全切除が難しいことがありますが、リンパ節の評価は手術中に同時に行われます。

乳房切除術(マステクトミー)

腫瘍が大きい、または複数箇所にある場合は乳房全体または部分的に切除する乳房切除術が検討されます。生検結果、患者さんの希望、医師の判断で範囲が決まります。浸潤性小葉がんの再発リスクが高いため、両側乳房を同時に切除する「対側乳房切除」を選ぶ女性もいます。

化学療法

腫瘍のサイズやグレードが高い場合、全身治療として化学療法が行われます。点滴やポート(腕静脈または鎖骨下のメディポート)を通じて、がん細胞を全身に広がっている可能性がある部位に投与します。使用する薬剤は腫瘍の生物学的情報に基づき組み合わせが決定されます。早期の浸潤性小葉がんでは、ホルモン療法が併用されることもあります。

放射線療法

リンパ節転移が認められた場合や手術後の局所再発予防として放射線療法が推奨されます。高エネルギーの放射線で腫瘍部位やリンパ節を照射し、がん細胞を破壊します。皮膚の痛みや倦怠感が出ることがありますが、通常は手術・化学療法から回復した後に実施されます。

治療方針は個々の腫瘍特性と患者さんの希望を総合的に判断し、外科、放射線、薬物療法を組み合わせて最適化します。

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