トリプルネガティブ乳がん:より効果的な治療法の学び方
トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2の3つの主要なホルモン・成長因子受容体が欠如した乳がんです。標的治療が限られるため、他の乳がんに比べ治療が難しいとされています。全乳がんの10〜15%を占め、若年女性やアフリカ系アメリカ人女性、BRCA1変異保有者に多く見られます。
従来の治療と新たな展望
かつては化学療法が主な治療法でしたが、近年は様々な新薬が登場し、予後が改善しています。
標的治療
PARP阻害剤はDNA修復を阻害することで腫瘍細胞を死滅させます。BRCA1/2変異を有するTNBCに特に有効で、オラパリブ(Lynparza®)、ニラパリブ(Zejula®)、ルカパリブ(Rubraca®)などが無増悪生存期間(PFS)や全生存期間(OS)の延長を示しています。
免疫チェックポイント阻害剤は免疫系を活性化し、がん細胞を認識・攻撃させます。ペムブロリズマブ(Keytruda®)、アテゾリズマブ(Tecentriq®)、デュルバルマブ(Imfinzi®)、アベルマブ(Bavencio®)はPD‑L1発現が高いTNBC患者で治療成績の改善が報告されています。
併用療法
標的薬と化学療法の併用も効果が認められています。例えば、ペムブロリズマブと化学療法の組み合わせは、PD‑L1陽性のTNBCにおいて無増悪生存期間と全生存期間の両方を伸長させました。
今後の治療展開
現在、抗体薬物複合体(ADC)、小分子阻害剤、腫瘍溶解ウイルスなど新たな標的薬が開発中です。また、PARP阻害剤や化学療法と免疫療法の組み合わせを検証する臨床試験も進行中で、将来的にさらに効果的な治療オプションが期待されています。
ポイントまとめ
- TNBCはエストロゲン、プロゲステロン、HER2受容体が欠如した乳がん。
- 標的治療薬が限られ、治療が難しい。
- 近年、PARP阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、併用療法などが登場し、予後が改善。
- 新薬開発や臨床試験が活発で、将来の治療は明るい見通し。
