政府が提供するがん研究資金
がんの現状と政府の取り組み
米国疾病予防管理センター(CDC)によると、がんは米国で死亡原因第2位で、人口の約7.9%が罹患しています。がんは依然として根治が難しい疾患であるため、がん研究に特化した政府資金の確保は国レベルでの重要課題です。
がんとは
がんは細胞の異常な増殖と成長が特徴で、体のどの部位でも発生し得ます。米国国立がん研究所(NCI)によれば、がんの種類は100種以上あります。がん細胞は血液やリンパ系を通じて容易に転移します。1998年以来、政府資金による研究の進展により、がんの罹患率と死亡率は全体的に低下しています。
国立がん研究所(NCI)
国立がん研究所は、米国国立衛生研究所(NIH)の27部門のひとつで、米国保健福祉省と連携してがん研究の主要な連邦機関として機能しています。NCIへの資金は議会からの予算で賄われ、メリーランド州ベセスダの本部や全国の医療センターに配分されます。研究テーマはがんの早期発見、予防、治療法の開発、そして病因解明です。
資金調達の流れ
他のNIH部門と同様に、NCIの研究資金は上下両院と大統領の承認が必要です。提案書はまず管理予算局(OMB)に提出され、続いて下院・上院を経て大統領の机に届きます。
1971年の「国立がん法」以降、NCIは直接大統領に予算案を提出できる権限を持ち、がん研究予算は「バイパス予算」と呼ばれ、議会の審議に先立ち大統領のレビューが行われます。
予算配分の実態
国立がん研究所の報告によれば、2009年のがん研究に対する政府資金は48億1,000万ドルに上りました。資金配分は罹患率の高いがん種に基づいて決定されます。2008年時点で最も多いがんは肺がん、前立腺がん、乳がん、大腸がん、膀胱がんです。特に肺がんが最も頻度が高いため、肺がん研究への資金が最大となっています。
NIH臨床センター
NIH臨床センターは、がんを含む国家的課題の研究拠点として機能しています。基礎研究で得られた知見を臨床治療に転換し、提携医療機関で実際の患者に新しい治療法を提供しています。実験室と臨床の両方の環境で、がんの予防・治療・根治を目指した研究が進められています。
