肝転移眼球黒色腫の治療法
眼球黒色腫(眼内メラノーマ)とは
眼球黒色腫は成人に最も多い眼のがんで、虹彩、毛様体、脈絡膜のいずれかに発生します。特に脈絡膜が最も頻繁に侵され、網膜と強膜の間にある血管層です。未治療のまま放置すると、肝臓への転移が非常に高い確率で起こります。
臨床上の重要性
腫瘍が小さいうちに発見されれば、肝臓や他の臓器への転移はほとんど見られません。しかし、腫瘍が大きいほど将来的に転移するリスクが高く、放射線治療後でも転移の可能性は残ります。
手術と化学療法の現状
肝転移が認められた場合、多くは複数の腫瘍ができるため外科的切除は困難です。単一腫瘍であれば手術で除去できることもありますが、化学療法単独では効果が限定的です。新しい薬剤の研究は続いており、将来的に有効な治療薬が見つかる可能性があります。
化学塞栓療法(Chemo‑Embolization)
完全な治癒法はまだ確立されていませんが、化学薬剤と塞栓物質を肝腫瘍の血管に注入することで、腫瘍の縮小や生存期間の延長が報告されています。代表的な例はシスプラチンとポリビニルスポンジ粒子の併用です。副作用として発熱、腸麻痺(1〜2日)、腹痛、肝酵素上昇などがあります。
Y‑90 ラジオエンボリズム
2009年7月号の『Cancer Investigation』に掲載された研究では、肝動脈へイットリウム‑90(Y‑90)ミクロスフェアを注入するラジオエンボリズムが肝転移眼球黒色腫のコントロールに有望であることが示されました。11例の患者すべてで腫瘍縮小が認められ、重篤な副作用は報告されていません。
