がん患者における高カルシウム血症の治療法
概要
がん患者では、腫瘍が骨を破壊したり、骨からカルシウムを血中に放出させる物質を分泌したりすることで高カルシウム血症が起こります。腎臓の排泄機能低下や嘔吐・体重減少による脱水も要因です。血中カルシウムが過剰になると不整脈、腎障害、錯覚など重篤な合併症を引き起こすため、早期の治療が必要です。
治療の基本ステップ
- 基礎疾患の治療:がんそのものの治療が最も重要です。腫瘍が骨を直接破壊し、カルシウム放出を促すため、がんの進行と高カルシウム血症は密接に関係しています。
- 十分な水分補給:脱水を防ぐために経口水分をしっかり摂ります。必要に応じて点滴で生理食塩水を投与します。
- 嘔吐・吐き気のコントロール:高カルシウム血症は嘔吐を引き起こし、さらに脱水を悪化させます。抗嘔吐薬や点滴による対策が有効です。
- 適度な運動:筋力低下や転倒による骨折を防ぐため、医師の指示のもと軽い体重負荷運動(散歩など)を継続します。
- 薬剤の見直し:腎機能を低下させる薬やビタミンA・Dの過剰摂取は高カルシウム血症を悪化させます。医師に相談し、必要なら中止または減量します。
- 骨代謝抑制薬の使用:カルシトニン、ビスホスホネート(ゾレドロン酸、パミドロン酸)や、場合によってはデノスマブなどが骨からのカルシウム放出を抑えます。
- 認知症状への対処:高カルシウム血症による錯乱や興奮が見られる場合は、鎮静剤や抗精神病薬で安全を確保します。
補足情報
上記の対策に加えて、血清カルシウム濃度の定期的なモニタリングと、腎機能・電解質バランスの評価が欠かせません。症状が重篤化した場合は、入院して集中治療を受けることが推奨されます。
