がんに対する栄養療法の実践とポイント
がん予防のための栄養療法
健康的な食事とがんリスクの低減には関連があるとされていますが、食事ががんからの回復率を高めるという決定的な証拠はまだありません。一方で、特定の食品はがん患者の生存率を下げることが示されています。がん治療の副作用で食べにくくなった患者にとっては、治癒効果というよりは摂取しやすさが重視されます。
がん予防に効果的な食事
医療ガイドによると、フレッシュな果物・野菜や全粒穀物を多く摂る食事は、特定のがんのリスクを下げるとされています。果物・野菜は肺がん、乳がん、前立腺がんのリスク低減と関連があります。モノ不飽和脂肪は乳がんリスク低下、豆製品(大豆)を多く含む食事は前立腺がんリスク低減と報告されています。また、食物繊維が豊富な食事は大腸がんのリスクを下げるとされています。逆に、高カロリー・高脂肪の食事はがんリスクを上げる可能性があります。
がん治療における食事の役割
Nutrition MDの報告では、がん患者の生存率と食事の直接的な関係は医学的に確認されていないとされています。つまり、食事だけでがんを治すことは期待できません。ただし、食物繊維が豊富な食事は放射線治療で腸に起こりやすい腸炎(エンテリティス)の予防に役立ちます。逆に、過剰なタンパク質・脂肪・糖分は転移リスクを高める可能性があります。健康的な食事は治癒率を上げるわけではありませんが、治療中の体力維持や副作用軽減には推奨されます。
がん患者に推奨される栄養管理
カリフォルニア大学医療センターは、がん患者向けに次のような食事指導を行っています。治療の影響で食欲が低下しやすいため、1回の大量摂取よりも空腹を感じたときに小分けの食事を頻回に摂ることが大切です。おすすめの食材は、クレームオブウィート、卵、フルーツ、カッテージチーズ、クラッカーなどの味が淡白なものです。熱い食べ物よりも冷たい食べ物を選び、口内炎がある場合は氷を噛むと痛みが和らぎます。食事と食事の間には、冷たい透明な飲料をたっぷりと摂り、食事中の飲みすぎは控えましょう。
