直腸がんの治療法一覧
米国がん協会の推計によると、2005年に直腸がんと診断された患者は145,000人以上、死亡者は56,000人以上に上ります。直腸がんは大腸がんの一種で、結腸または直腸に発生します。男女とも死亡原因の第3位ですが、早期に症状を認識すれば治療が可能です。
症状の認識
- 直腸からの出血
- 排便習慣の変化(頻度・形状・量の変化)
- 肛門付近のしこりや腫れ
- 肛門・直腸部の痛みや圧迫感
診断の流れ
症状が疑われたらまず医師の診察を受けます。問診で既往歴や家族歴を確認し、身体検査を行った後、以下の検査が実施されます。
- 大腸内視鏡検査(コロノスコピー)とポリペクトミー:腫瘍組織を採取し、顕微鏡で癌細胞の有無を確認。
がんのステージング
治療方針を決めるために、がんの進行度(ステージ)を評価します。主な検査方法は次の通りです。
- 経直腸超音波:プローブを直腸に挿入し、腫瘍の大きさや浸潤範囲を画像化。
- CT(コンピュータ断層撮影)またはMRI:造影剤を使用し、腫瘍の位置・大きさ・転移の有無を多角的に評価。
治療法
直腸がんの標準治療は、手術、化学療法、放射線療法の3つです。再発予防が重要な目的となります。
手術
- 局所切除(低位前方切除):腫瘍が直腸下部に限局し、転移がない場合に行われ、腫瘍と周囲の少量の正常組織を切除します。
- 腹会陰切除(APR):腫瘍が進行している場合に実施。肛門、直腸、結腸の一部を腹部切開で除去し、人工肛門(ストーマ)を腹壁に作り、コロストミー袋で排泄物を受け取ります。
手術は化学療法または放射線療法と併用されることが多く、場合によっては3剤併用も行われます。
化学療法
抗がん剤でがん細胞の増殖を抑制または死滅させます。経口投与や静脈注射があり、全身循環に乗って腫瘍部位に届く「全身化学療法」と呼ばれます。
放射線療法
高エネルギーX線でがん細胞を破壊します。外部照射は体外から腫瘍部位に集中的に照射し、内部照射(ブラキセラピー)は針やカテーテルを通じて放射性物質を直接腫瘍内に配置します。
HIV感染者への配慮
HIV陽性患者は免疫機能が低下しているため、抗がん剤の投与量を通常より低く設定することがあります。治療中の免疫抑制リスクを最小限に抑えるため、慎重な管理が必要です。
