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高強度焦点式超音波(HIFU)によるがん治療

HIFUとは

拡大鏡で太陽光を一点に集めて葉を燃やす実験をご存知ですか? それと同じ原理が、がん治療に応用された「高強度焦点式超音波(HIFU)」です。音波のエネルギーを体内の特定の一点に集中させ、局所的に高温にしてがん組織を破壊します。

仕組みと特徴

HIFUは複数の超音波ビームを一点に合わせ、その交点で温度を数百度に上昇させます。交点以外の組織は超音波が通過するだけなので、周囲の正常組織へのダメージは最小限です。また、低出力の超音波でリアルタイム画像を取得しながら治療計画を立て、正確に腫瘍を標的にできます。主に小さな局所がんに適用されます。

HIFUの臨床試験と治療例

イギリスでは、腎臓の小腫瘍が手術に至る前にHIFUで治療する研究が進められています。腫瘍とその周辺だけを熱で破壊し、腎臓の機能をできるだけ残すことが可能です。中国では膀胱がんへの適用が成功しており、2009年以降は肝臓・骨・乳がんなど、さまざまながんへの応用を目指した臨床試験が世界中で実施されています。

前立腺がんに対してもHIFUは有効です。前立腺内部のがん組織を狙い撃ちにし、周囲組織を温存するため、失禁や勃起障害といった従来の手術や放射線療法の副作用リスクが低減します。治療は経直腸プローブを用い、脊椎麻酔下で外来手術として行われ、前立腺全体を熱破壊して再発防止を目指します。適用を希望する患者は近隣の臨床試験施設で医師とリスク・ベネフィットを相談してください。

HIFUのメリット

最大の利点は侵襲が少ない点です。切開が不要なため出血はほとんどなく、術後の不快感も数日で軽減します。放射線を使用しないので、再度治療が必要な場合でも安全に繰り返し適用できます。入院期間も短く、イギリス・オックスフォードのチャーチル病院の研究では、HIFUが患者の免疫力向上にも寄与する可能性が示唆されています。

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