骨髄形成症候群(MDS)とは
骨髄形成症候群(Myelodysplastic Syndromes、略称MDS)は、骨髄内の血球前駆細胞が正常に成熟せず、赤血球・白血球・血小板の数が減少する疾患です。米国では毎年約1万人が新たに診断されており、特に70歳以上の男性に多く見られます。
MDSとは?
正常な骨髄では未熟細胞(ブラスツ)は全体の5%以下ですが、MDS患者ではこの割合が上昇し、成熟した血球が不足します。その結果、貧血、感染症リスク増大、出血傾向などの症状が現れます。
MDSのタイプ
主に「低リスク型」と「高リスク型」の2つに分類されます。
- 低リスク型:骨髄に異常細胞はあるものの、正常な血球が多数残っており、症状は比較的軽度です。貧血が主な問題ですが、経過観察や輸血で管理できることが多いです。
- 高リスク型:ブラスツの割合が高く、血球機能が著しく低下します。重篤な貧血や感染、出血リスクが増大し、場合によっては致命的になることがあります。
MDSはがんか?
MDSは骨髄の細胞が異常になる点で「がん」の一種とみなされますが、すべてが急性骨髄性白血病(AML)に進行するわけではありません。ブラスツが20%を超える場合にのみAMLと診断されます。
原因と診断方法
一次性MDSの原因は多くの場合不明ですが、ベンゼンなどの化学物質への長期曝露や喫煙がリスク因子とされています。二次性MDSは放射線治療や化学療法といったがん治療後に稀に発生し、遺伝的素因が関与している可能性があります。
症状が乏しいため、血算(CBC)の異常がきっかけで発見されます。確定診断は血液検査と骨髄検査(顕微鏡観察)により行われます。
治療法
リスクに応じて以下のように治療が選択されます。
- 低リスク型:経過観察と必要に応じた輸血。
- 高リスク型・AML:高用量化学療法、場合によっては同種造血幹細胞移植(適合ドナーが必要)。
治療は患者の年齢、全身状態、ドナーの有無などを総合的に判断して決定します。
