胸膜中皮腫の治療法
概要
胸膜中皮腫は肺の表面を覆う胸膜に発生する稀な癌で、主にアスベスト曝露が原因です。予後は非常に厳しく、診断後5年生存率は10%未満です。治療は手術、化学療法、放射線療法、緩和ケアの4つが基本で、患者の状態に応じて組み合わせて実施されます。
手術療法
早期に発見された患者に限り、以下の高度な手術が行われます。
- 胸膜切除術(Pleurectomy):癌が浸潤した胸膜の一部を切除します。
- 外胸膜肺全摘術(Extrapleural Pneumonectomy):胸膜だけでなく、横隔膜、心膜、そして癌側の肺まで広範に切除する大手術です。リスクは高く、適応は慎重に判断されます。
化学療法
手術が不適応の患者や手術後の補助療法として使用されます。腫瘍の増殖を抑制または停止させることが目的で、使用薬剤や投与スケジュールは病状の進行度に合わせて調整されます。場合によっては手術前に腫瘍縮小を狙って投与されることもあります。
放射線療法
化学療法や手術と併用し、胸膜内の癌細胞を破壊します。最新の定位放射線技術により、正常組織へのダメージを最小限に抑えながら高精度で腫瘍を照射できます。
緩和ケア
癌そのものを根治する治療ではありませんが、症状緩和と生活の質向上を目的とします。主な方法は以下の通りです。
- 胸腔内の液体貯留を排除するための胸膜-腹膜シャントや胸膜癒着術(Pleurodesis)。
- 疼痛管理や呼吸困難の緩和を目的とした薬物療法。
これらの緩和療法は、患者ができるだけ快適に日常生活を送れるよう支援します。
