肺がんに対する放射線治療の概要
肺がんの放射線治療とは
放射線治療(ラジオセラピー)は、X線ビームを腫瘍に照射し、がん細胞を死滅させる治療法です。肺がんでは、非小細胞肺がん(全体の約80%)と小細胞肺がん(約20%)の両方に適用されます。非小細胞肺がんは手術・化学療法と併用されることが多く、小細胞肺がんは放射線と化学療法の組み合わせで治療されます。
主な治療法の種類
- 外部照射(External Beam Radiation Therapy):複数の照射野を腫瘍に向け、健康な組織への被ばくを最小限に抑えます。数週間にわたり少量ずつ照射することで副作用を軽減します。
- 三次元適合放射線治療(3D‑CRT):CT画像を基に腫瘍の形状に合わせたビームを照射し、正常肺組織への線量を減らします。
- 内部照射(近接照射・ブラキセラピー):放射性シードを腫瘍内部に直接埋め込み、局所的に高線量を与えます。症状緩和に用いられますが、根治目的ではありません。
放射線治療の目的と効果
- がん細胞のDNAを損傷させ増殖を阻止し、自然に体内で除去させます。
- 単独での根治治療、手術後の残存細胞除去、転移がんへの局所治療のいずれか、または複数を組み合わせて使用します。
- 腫瘍縮小や症状緩和、寛解を得られることがあります。
メリット
- 手術が困難な心不全患者や抗凝固薬使用者でも適用できる。
- 化学療法に比べ副作用が少なく、頭髪は残り胸部の毛が抜ける程度。
- 吐き気や全身的な不快感が比較的軽減されます。
主な副作用とリスク
- 疲労感:治療開始数回目から徐々に増強。
- 皮膚炎や胸壁の一時的・永久的脱毛。
- 食欲減退、食道炎(食道粘膜の炎症)。
- 放射線肺炎:治療終了後3〜9か月で肺の炎症が起こることがあります。
