リンパ腫(リンパがん)とは何ですか?
概要
リンパ系は免疫系の一部で、リンパ節、リンパ球、脾臓、扁桃、腺様組織、骨髄などから構成されます。リンパ腫(リンパがん)は、主にリンパ球ががん化した疾患で、体内で病原体と闘う役割を持つ細胞が異常増殖します。多数の亜種があり、多くは増殖が速く、転移しやすい特徴があります。
タイプ
リンパ腫は大きく「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の2つに分類されます。ホジキンリンパ腫は、特徴的なReed‑Sternberg細胞(核が2つ以上ある大型酸性細胞)が認められる場合に診断されます。一方、Reed‑Sternberg細胞が見られない場合は、30種以上に及ぶ非ホジキンリンパ腫に分類されます。症状や治療反応が異なるため、細かな分類が重要です。
症状と診断
体重減少、発熱、悪寒、倦怠感、夜間の大量の発汗、かゆみなどの全身症状が現れることがあります。これらは風邪や軽い感染症と似ていますが、数日で改善せず、抗生物質でも効果がありません。また、腋窩部、首、鼠径部などに無痛性のリンパ節腫脹が見られ、腫脹が血管やリンパ管を圧迫するとしびれや痛みを伴うことがあります。
原因とリスク要因
リンパ腫の正確な原因は不明ですが、いくつかのリスク要因が報告されています。非ホジキンリンパ腫は60歳以上に多く、ホジキンリンパ腫は35歳未満または55歳以上で発症しやすい傾向があります。HIV、肝炎ウイルス、EBウイルスなどの感染症や自己免疫疾患、農薬・溶剤・黒髪染料などの化学物質への曝露がリスクを高めると考えられています。
進行段階
第Ⅰ期はがん細胞が単一のリンパ節に限局しています。第Ⅱ期は複数のリンパ節またはその周囲組織へ広がります。この段階では症状が軽く、早期発見すれば予後は比較的良好です。第Ⅲ期になるとがん細胞がリンパ節から離れ、全身の組織へ浸潤し始め、治療が難しくなります。第Ⅳ期では骨髄や肝臓などの重要臓器へ転移し、予後は不良です。
治療と予防
リンパ腫は腫瘍専門医(腫瘍内科医)によって治療されます。治療法はリンパ腫のタイプ、サブタイプ、ステージ、患者の年齢・体力・既往歴などに応じて選択され、放射線療法、化学療法、分子標的療法(生物学的療法)などが主に用いられます。早期診断と迅速な治療開始が治癒率を高める鍵となります。
