口腔がんに対する放射線治療の概要
口腔がんは生活の質を著しく低下させる深刻な疾患です。治療法のひとつとして、がん組織を破壊するために放射線を照射する「放射線治療」があります。
口腔がんとは
口腔がんは口内のどの部位にも発生しますが、特に唇や舌に多く見られます。最大のリスク要因はタバコの使用や喫煙で、全症例の70〜80%はこれらの発がん物質に起因するとされています。
口腔がんの主な治療法
主な治療法は以下の3つです。
- 外科手術:腫瘍が小さく、転移していない場合に最も選択されます。
- 放射線治療:高エネルギーの放射線でがん細胞を死滅させます。
- 化学療法:抗がん剤を投与し、がん細胞の増殖を抑制します。
放射線治療の手順
放射線治療は、がん組織に対して集中的にイオン化放射線を照射し、細胞構造を破壊して増殖を阻止します。ただし、正常組織にも影響が及ぶ可能性があり、完全に選択的な治療とは言えません。
放射線治療の種類
主に以下の2種類があります。
- 外部照射(外部放射線療法):X線やガンマ線を用い、皮膚表面から深部までがん組織を破壊します。
- 内部照射(内部放射線療法/ブラキセラピー):放射性物質を腫瘍内に配置し、局所的に高線量を照射します。舌がんなどに適用されることが多いです。
治療選択時の留意点
放射線治療は単独で行うことも、外科手術や化学療法と組み合わせて行うことも可能です。主な副作用として、脱毛、皮膚刺激、倦怠感が挙げられます。特に口腔領域での放射線は唾液腺が損傷しやすく、口腔乾燥(ドライマウス)を引き起こすリスクがあります。
近年は、正常組織への被曝を最小限に抑える高度な技術(例:強度変調放射線治療(IMRT)や画像誘導放射線治療(IGRT))が導入され、治療効果と副作用のバランスが改善されています。
