腎臓がんの原因とリスク要因
定義
腎臓がんには、腎細胞がん(腎細胞癌)、腎盂がん(腎盂癌)、ウィルムス腫瘍の3種類があります。腎細胞がんは腎臓の血液をろ過する小管の内皮から発生し、腎盂がんは尿が膀胱へ送られる前に集まる腎盂で起こります。ウィルムス腫瘍は主に5歳未満の子どもに診断されます。
米国がん協会によると、腎臓がんの正確な原因はまだ不明ですが、いくつかのリスク因子と遺伝的影響が報告されています。
遺伝子変異(遺伝的要因)
遺伝性の遺伝子変異
腎臓がんに関わる遺伝子は大きく2つ、腫瘍抑制遺伝子とオンコジーンに分かれます。腫瘍抑制遺伝子はがんの増殖を抑える働きがあり、オンコジーンは逆にがん化リスクを高めます。
代表的な例として、VHL(von Hippel-Lindau)遺伝子は細胞増殖を制御しますが、損傷するとVHL病を引き起こし、腎細胞がんのリスクが上昇します。また、乳頭状腎細胞がんはオンコジーンが活性化することで発症します。
他にも、平滑筋腫症(leiomyomatosis)やBirt‑Hogg‑Dube症候群などの遺伝性疾患は、良性腫瘍とともに腎臓がんのリスクを高めます。
獲得性の遺伝子変異
遺伝子変異は出生時だけでなく、生涯を通じて環境要因によって獲得されることがあります。米国がん協会のデータでは、非遺伝性の腎臓がん患者の約75%でVHL遺伝子の獲得変異が認められ、化学物質への曝露などが原因と考えられています。
生活習慣と環境要因
喫煙
フロリダ大学の研究(2008年12月掲載)では、喫煙者と受動喫煙者の腎細胞がん罹患リスクが有意に高いことが確認されました。
肥満・高血圧・職場曝露
肥満は腎臓がんリスクを増加させることが多数の研究で示されています。さらに、アスベスト、カドミウム、ベンゼン、各種有機溶剤などの職場での化学物質曝露や、長期にわたる高血圧とその治療薬もリスク要因とされています。
主な症状
早期段階では、倦怠感、発熱、食欲不振、夜間の発汗などの非特異的症状が現れることがあります。腫瘍が大きくなると、腹部のしこり、原因不明の体重減少、肋骨下部の側腹部や背部の痛みがみられます。血尿(ピンク、赤、コーラ色)が出ることもあります。
がんが他の臓器に転移すると、転移先に応じた症状が出ます。例として、肺転移では呼吸困難、骨転移では骨痛や骨折が起こります。
早期発見の重要性
米国泌尿器科学会のデータによれば、腎臓がんは全米のがんの約2%を占めますが、早期に発見すれば生存率は79%から100%と非常に高くなります。リスク要因を理解し、定期的な検診を受けることが予防と早期発見の鍵です。
