卵巣がん化学療法後の副作用と対策
卵巣がんに対する化学療法の概要
卵巣がんの治療は手術に加えて、主に化学療法が行われます。化学療法は、がん細胞を直接攻撃するために薬剤を投与する方法で、投与経路は以下のように分かれます。
- 静脈内投与(IV):針やカテーテルを通して血管に薬剤を注入。
- 腹腔内投与(IP):細いチューブとポートを用いて薬剤を直接腹腔に注入。
腹腔内化学療法(IP)
腹腔内化学療法は、薬剤を腹腔内に直接届けることで、がん細胞に対して高濃度の薬剤を投与できる利点があります。その分、副作用も顕著になることがあります。
- 腹痛、悪心・嘔吐が起こりやすい。
- 副作用が強くて治療を中止せざるを得ないケースもあります。
- しかし、進行卵巣がん患者では、静脈内投与よりも生存期間が延長されるという報告があります。
主に使用される化学療法薬剤
標準的なレジメンは、プラチナ系薬剤とタキサン系薬剤の併用です。
- カルボプラチン(商品名:パラプラチン)
- パクリタキセル(商品名:タキソール)
腫瘍がこれらに反応しない場合、血管新生阻害薬のベバシズマブ(商品名:アバスチン)などが検討されます。ベバシズマブは腫瘍への血流を遮断し、栄養供給を妨げることで腫瘍縮小を狙います。
一般的な副作用
化学療法全般に共通する副作用として、免疫力低下や血球減少(特に白血球と血小板)が挙げられます。感染症リスクが高まるため、日常生活での注意が必要です。
カルボプラチンの主な副作用
- 血球減少、疲労感、脱毛、悪心
- 下痢、腹痛、口内炎、末梢神経障害(しびれ・感覚異常)
パクリタキセルの主な副作用
- 悪心・嘔吐、下痢、脱毛、末梢神経障害、口内炎、血球減少
- 低血圧や爪・爪床の変色といった稀な副作用も報告されています。
副作用が重篤と感じた場合や、薬剤の相互作用が心配な場合は、必ず医師に相談してください。
長期的な影響
薬剤ごとに長期的な副作用のリスクは異なりますが、代表的なものとして以下が挙げられます。
- 神経障害(耳鳴り、記憶障害、聴力低下など)
- 二次がんの発生リスク
- 血尿などの腎機能障害
治療経過や副作用は、治療中だけでなくフォローアップ期間中も記録し、担当医と共有することが重要です。
不安な点や疑問があれば、遠慮せずに医療チームに相談しましょう。
