卵巣がんは治りますか?
卵巣がんは「サイレントキラー」と呼ばれるほど診断が難しい病気ですが、がんのタイプや診断時のステージにより、治癒が可能なケースもあります。リスク要因や初期症状を把握し、早期に検査を受けることで、進行を防ぐ、あるいは早期に治療を開始できる可能性が高まります。
がんの種類とステージ
MDアンドリュー癌センターによると、卵巣がんは上皮性、胚細胞性、性索間質性の3つに大別され、30種類以上が知られています。約90%は上皮性がんで、そのうち半数は漿液性癌で、診断が遅れがちで予後が最も悪いです。一方、胚細胞性や性索間質性腫瘍は比較的早期に発見されやすく、治癒率が高い傾向にあります。治療法はがんのタイプや患者さんの全身状態、妊娠希望の有無によっても変わります。
ステージ別の概要と予後
ステージⅠ
がんが片方または両方の卵巣に限局しています。多くの場合、腫瘍と卵巣の摘出手術が行われ、子どもをもう産めない女性は子宮全摘出(子宮摘出術)も検討されます。病理検査で異常細胞が多くない限り化学療法は不要です。全体の約25%がステージⅠで診断され、5年生存率は90%以上です。
ステージⅡ
がんが子宮や卵管、骨盤内の他組織に広がっています。標準的な治療は子宮、卵巣、卵管の全摘出に加え、リンパ節や周囲組織のサンプリングです。化学療法(必要に応じて放射線療法)も実施されます。上皮性がんでは5年生存率は約66%、胚細胞性がんでは約80%に達します。
ステージⅢ
がんが骨盤外の腹膜へ転移しています。転移は数個の細胞から2cm以上の腫瘍まで様々です。外科的に腫瘍と影響を受けた臓器を除去した後、化学療法・放射線療法を行い、必要に応じて再手術が検討されます。診断時にステージⅢであるケースが最も多く、上皮性浸潤がんが主流です。5年生存率は約50%ですが、胚細胞性・間質性腫瘍ははるかに良好です。
ステージⅣ
がんが肝臓や腹部以外の遠隔部位へ転移しています。手術と化学療法が中心ですが、予後は厳しく、5年生存率は20%未満です。
将来の治療法の展望
卵巣がんは検出と治療が難しいため、米国国立がん研究所(NCI)などで新しい治療法の研究が進められています。例えば、進行がん患者を対象に、抗がん剤を細いチューブで腹腔内に直接投与する臨床試験が行われており、平均生存期間が約5年半延長する可能性が示唆されています。
