前立腺がん治療におけるアロマターゼ阻害剤の役割

進行前立腺がんの標準治療はアンドロゲン除去療法(ADT)です。治療開始時に、血中テストステロン濃度を保ちつつがんの進行を抑える目的で、アロマターゼ阻害剤が用いられることがあります。

定義

Medline Plus 医学辞典によれば、アロマターゼはテストステロンなどのアンドロゲンをエストロゲンに変換する酵素です。アロマターゼ阻害剤はこの変換を抑制します。

肯定的効果

2005年に『Oncologist』誌に掲載された研究では、アンドロゲン遮断と化学的去勢を組み合わせ、さらに抗アンドロゲンの中止とアロマターゼ阻害剤を使用することで、進行前立腺がん患者の生存率と生活の質が向上する可能性が示されています。

否定的効果

同誌の2008年11月20日号(Journal of Clinical Oncology)によると、アロマターゼ阻害剤は骨密度の著しい低下を引き起こすことが報告されています。

去勢抵抗性前立腺がん

2001年10月15日号の『Cancer』誌では、エストロゲンが原因でADTに抵抗性を示すケースがあると報告されましたが、アロマターゼ阻害剤を用いた臨床試験ではその効果は期待できないと結論付けられました。そのため、去勢抵抗性前立腺がんに対する主な治療法とはみなされていません。

アロマターゼ阻害剤の最適使用

『Urologic Oncology』誌の2020年1-2月号に掲載された研究は、アロマターゼ阻害剤が乳がん治療では有効である一方、前立腺がんに対しては抗エストロゲン薬に比べて有益性が確認できなかったと報告しています。したがって、前立腺がんに対する標準的な治療選択肢としては位置付けられていません。

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