前立腺がんの各ステージ別治療法とは

前立腺がんは米国で男性6人に1人が罹患するほど一般的です。がんの進行度はⅠ〜IVの4段階に分類され、治療はがんのステージと患者さんの全身状態に応じて選択されます。

ステージⅠ

がんは小さく、症状が出ないことが多いです。増殖や転移が遅いため、すぐに治療を開始しなくてもよい場合があります。若く健康な患者や、他の疾患を抱える高齢者でも、定期的な経過観察(アクティブ・サーベイランス)を行うことが推奨されます。尿路症状がある場合は放射線療法が選択肢となります。放射線療法は外部ビーム照射と、超音波ガイドで放射性シードを前立腺内に埋め込む内部照射(ブラキセラピー)の2種類があります。まれに前立腺全摘除術が行われることもあります。

ステージⅡ

がんは前立腺にとどまりますが、転移リスクが高まります。健康状態が良好な患者は、外部ビーム照射、ブラキセラピー、またはその併用を受けることが多いです。前立腺と骨盤リンパ節の摘除術も選択肢に入ります。放射線療法や手術と併せて、数か月間のホルモン療法(テストステロン産生抑制)を行うことがあります。注射による薬剤投与のほか、精巣除去手術で同様の効果を得る方法もあります。

ステージⅢ

がんが前立腺の片側または両側、あるいは精嚢(膀胱の近くにある小さな腺)へ広がります。治療はステージⅡと類似しますが、完治の可能性は低くなります。ホルモン療法単独、または外部ビーム照射との併用が行われます。前立腺全摘除術は骨盤リンパ節に加えて、勃起に関わる神経束も除去されることが多く、性機能への影響があります。重篤な合併症を抱える高齢者は、手術や放射線が負担になる場合、治療を見送ることもあります。

ステージⅣ

がんが前立腺を超えて膀胱、リンパ節、直腸、骨など遠隔転移しています。完全な治癒は稀であり、主に症状緩和が目的となります。ホルモン療法や放射線療法は引き続き使用され、ホルモン抵抗性の場合は化学療法が検討されます。尿路閉塞がある場合は緊急手術で通路を確保し、骨転移がある場合は放射線や疼痛管理薬で痛みを軽減します。

治療の進展

かつては凍結療法(クリオセラピー)が膀胱や直腸への長期的な障害を引き起こしていましたが、技術改良により安全性が向上しています。前立腺全摘除術もロボット支援腹腔鏡手術が普及し、侵襲が低減しました。免疫療法や遺伝子療法といった実験的アプローチを提供する施設もあり、将来的にはこれらが標準治療になる可能性があります。

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