クエン酸と胃のトラブル
クエン酸は果物や加工食品、医薬品に多く含まれる成分で、体内でも自然に生成されます。レモンやライムの果汁は特に高濃度で、グレープフルーツやオレンジジュース、野菜や根菜、乳製品にも少量含まれます。近年はモラセス(糖蜜)から工業的に製造され、風味付けや保存料、医薬品の原料として広く利用されています。
アレルギー
一部の人は柑橘類に対してアレルギー反応を起こします。食物アレルギーでは、体が食品中の成分を侵入者とみなし、抗体やヒスタミンなどを放出します。その結果、鼻水・かゆみ・嘔吐・下痢、重症の場合はアナフィラキシーショックを引き起こすことがあります。実際に「クエン酸アレルギー」と訴える人は、クエン酸自体ではなく、リモネンや果実中のタンパク質に反応していることが多いです。
不耐症
クエン酸不耐症は稀な症状で、免疫反応ではなく消化酵素の欠如によりクエン酸を分解できないことが原因です。主な症状は胃痛・痙攣、下痢、嘔吐、皮膚の斑点やかさぶた、目の下のくすんだリングなどです。
逆流性食道炎(GERD)への影響
クエン酸は胃酸が過剰に逆流する逆流性食道炎(GERD)を悪化させることがありますが、逆に胃酸が低下している場合は症状を緩和することもあります。市販のアルカセルズなどはクエン酸、アスピリン、炭酸水素ナトリウムの組み合わせで、消化不良や頭痛を和らげます。ただし、潰瘍患者は胃粘膜への刺激が強くなるため、使用を控えるべきです。
対策と予防
クエン酸による胃トラブルを防ぐ最も確実な方法は、添加物としてのクエン酸が含まれる食品を避けることです。食品ラベルの成分表を確認し、クエン酸が記載されているかチェックしましょう。比較的クエン酸が少ない果物はリンゴ、梨、サクランボ、ブドウ、乾燥イチジクなどです。また、マルチビタミンやフラックスシード・魚肝油などのオメガ‑3脂肪酸は、胃への刺激を和らげる効果が期待できます。
