認知症ケア施設におけるデザイン介入の効果
近年、認知症ケアユニットは長く閉ざされた廊下から、居住者が自由に歩き回れる「家庭的」な空間へと変わりつつあります。設計介入により、非医療的で温かみのある環境が実現され、利用者の安心感と生活の質が向上しています。
循環型廊下と小規模コミュニティ
認知症の方は長時間徘徊することがあります。そのため、廊下は円形または四角形に配置し、終点がないように設計されています。寝室はメインエリアから少し離れた小規模なコミュニティに配置され、居住者は閉じ込められた感覚なく自由に移動できます。
屋外環境の活用
施設内には庭園やパティオが設けられ、入居者が自然に触れ合えるようになっています。日当たりの良いサンルームやテラリウムも備え、太陽の光と新鮮な空気を楽しめるスペースが提供されています。
家庭的な雰囲気の創出
従来の病院的な白壁やベッドは、暖色系の壁や家具に置き換えられ、居間にはソファやチェア、人工暖炉が設置されています。これにより利用者はリラックスし、まるで自宅にいるかのような安心感を得られます。
多様な活動スペース
調理用コンロや電子レンジを備えたキッチンは、料理教室やクッキー作りの場として活用されます。使用しないときはロックされ、スタッフが適切に監督しながらスケジュール管理を行います。
記憶ステーション
過去の経験を呼び起こす「記憶ステーション」も設置されています。学校の教室風ステーションには教師用デスクや黒板があり、軍隊をテーマにしたステーションには制服や米国旗、各部隊のエンブレムが展示されています。
スタッフの研修
デザイン変更を有効に活用するため、スタッフは特別な研修を受けます。屋外での活動計画や、利用者が興奮した際に記憶ステーションを活用する方法などが学ばれます。
