病院での摂食障害(神経性食欲不振)治療
神経性食欲不振の概要
神経性食欲不振(Anorexia nervosa)は、体重増加に対する極端な回避が特徴の摂食障害です。DSM‑IV‑TR(2000年)では、以下の診断基準が示されています。
- 年齢・身長に対して最低限の正常体重を維持しようとしない。
- 体重増加や肥満になることへの強い恐怖。
- 自分の体重や体型に対する認知の歪み。
- 閉経後の女性で3回以上の月経欠乏(ホルモン投与でのみ起こる月経)。
患者は食行動を隠し、変化に抵抗することが多く、治療への対峙が困難です。
治療の要素
協力度が低い患者が多いため、入院治療と外来での継続的な療法、栄養評価が推奨されます。治療の目的は、栄養リハビリテーションと心理社会的介入の二本柱です。
入院時に詳細な面接を行い、必要な体重増加量、入院期間、薬物療法、最適な心理療法、グループ療法への適性などを決定します。健康状態の評価も行い、必要に応じて経鼻胃管による強制給餌を実施し、医学的に安全な体重に到達させます。
主なプログラム例:
- ポジティブなボディイメージのワークショップ
- 集団療法・個別カウンセリング
- 行動分析と認知行動療法
- 家族療法(家族が参加するプログラムの場合)
- 食事指導と栄養再教育
入院後の流れ
患者は医学的に許容できる体重に達した時点で退院が検討されますが、医療上の都合で早期退院するケースもあり、再発リスクが高まります。退院後は外来での継続療法が提供されるか、精神保健専門家への紹介が行われます。
退院後に家族ができること:
- 過去の入院生活にこだわらず、温かく迎える。
- 病院の指示(例:体重計の撤去)を実行し、できるだけ日常生活を普通に保つ。
- 食事を避けず、食事の場面を自然に提供する。ただし、過度な介入は避ける。
留意点
摂食障害は再発が大きな課題です。継続的な監視と治療が不可欠で、家族や友人の支援が回復の鍵となります。自力での回復が難しい場合は、サポートグループやオンラインフォーラムへの参加を検討してください。
抗うつ薬や抗不安薬の長期使用が一般的に推奨されます。ホメオパシーは補助的に利用できる場合がありますが、必ず精神科医に相談してください。
注意事項
摂食障害の疑いがある場合は、早期に専門機関へ相談しましょう。米国摂食障害協会(NAA)などのホットライン(1‑847‑831‑3438)も利用できます。
