子どもの呼吸器は未熟で感染しやすく、呼吸困難を引き起こす疾患が多く見られます。ウイルス性のものは自然に回復することが多いですが、喘息は生涯にわたって管理が必要です。小児は体格が小さく免疫が未発達なため、同じ症状でも成人より重症化しやすい点に注意が必要です。
喘息
喘息は気道が炎症と腫れを起こし、呼吸が困難になる慢性疾患です。家族に喘息やアレルギーがある子どもに多く見られ、環境汚染もリスク要因となります。発作時は胸部の圧迫感、喘鳴(ぜんめい)、咳、息切れが現れ、アレルギー季節や運動が引き金になることがあります。吸入薬で気道を拡張し炎症を抑えることで症状をコントロールできます。根治はありませんが、適切な薬物治療で日常生活は十分に送れます。
クループ(急性気道炎)
クループは主に秋冬に若年児に発症し、特徴的な「犬のような」吠えるような咳が現れます。風邪のウイルスが原因で、気道が狭くなるため呼吸困難を伴います。横になると症状が悪化しやすく、呼吸数が増えることがあります。湿った冷たい空気を吸うと症状が緩和され、重症例ではステロイド薬などで腫れを抑える治療が行われます。
細気管支炎
細気管支炎は肺へつながる小さな気道(細気管支)が炎症を起こし、腫れと粘液で詰まる状態です。主に生後2歳までの乳幼児に多く、細気管支が細いため閉塞しやすいのが特徴です。保育園への通園や受動喫煙がリスクとなり、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)が最も一般的な原因です。
RSV(呼吸器合胞体ウイルス)
RSVは乳幼児の呼吸器感染で最も頻繁に見られるウイルスです。成人では風邪程度の症状ですが、子どもでは細気管支炎や肺炎へ進行することがあります。発症は主に秋から春にかけてで、症状は約1週間で自然に改善します。抗生物質は効果がなく、重症例や乳児の場合は入院治療が必要になることがあります。
