長所:科学的根拠

1987年に『Journal of Consulting and Clinical Psychology』に掲載された研究は、ABAを受けた自閉症児の90%が対照群より著しい改善を示し、約半数が正常なIQと社会・適応スキルの範囲に達したことを報告しています。1993年の追跡調査でも、これらの子どもたちは改善を維持し、特別支援教育や施設サービスなしで生活できることが確認されました。

短所:週40時間の負担

実践者は週40時間のABAを推奨していますが、多くの保護者にとっては時間的・精神的負担が大きく、ストレスの原因となります。時間を減らすと効果が出るまでに時間がかかり、得られる成果も限定的になることがあります。

長所:客観的アプローチ

ABAは「社会的に重要な行動」(コミュニケーション、読字、学習、生活適応スキル、対人スキル)を繰り返し訓練し、外部から観察可能な行動を操作することで効果を測ります。感情や内面的な要因を直接扱うより、外部行動に焦点を当てる方が評価・調整しやすいという利点があります。

短所:ロボット化の懸念

外部行動の変容に重点を置くため、子どもの内面的な感情や自然な言語発達が十分に支援されないと指摘されています。特に初期段階の「離散的試行訓練(DTT)」が多用されると、機械的で感情の伴わない行動が習得されやすく、自然な会話力が育ちにくいという批判があります。

長所:保護者の積極的関与

ABAは家庭での実践を重視し、保護者がセラピーで学んだスキルを日常生活のさまざまな場面で一般化できるよう指導します。これにより、治療効果が持続しやすくなるとともに、保護者自身のスキル向上にもつながります。

短所:資格不足の実務者

ABA実務者に対する法的規制が整っていない地域が多く、資格や経験の不十分な専門家に出会うリスクがあります。公認行動分析士(BCBA)を見極めるために、行動分析士認定委員会(BACB)の情報や認定リストを活用することが推奨されます。