重炭酸ナトリウムと血液pH
pHは水素イオン濃度を示す指標です。正常な血液pHは7.4で、範囲は7.35〜7.45です。pHが7.35未満になると、アシドーシスという危険な状態になります。重炭酸ナトリウムを投与することで、血液pHを正常範囲に上げることができます。
効果
- 重炭酸ナトリウムは血中の重炭酸イオンを増加させ、余分な水素イオンを緩衝し、血液pHを上昇させます。経口投与の場合、胃酸を中和する効果もあります。
作用機序
- 重炭酸ナトリウム(NaHCO3)は白色結晶性粉末で、水に溶解するとNa+とHCO3-に分かれます。HCO3-は血中の過剰な水素イオン(H+)と結合し、炭酸(H2CO3)を生成します。この反応により余分なプロトンが除去され、pHが上昇します。
投与方法
- 重炭酸ナトリウムは液体、錠剤、粉末の形で入手可能です。液体製剤は7.5%または8.4%の濃度で、pHは約8.0です。点滴や注射で使用されます。錠剤や粉末は経口投与用で、ベーキングソーダとしても知られています。
使用目的
- 注射用重炭酸ナトリウムは、重度のアシドーシスや血液pHが低下した患者に使用されます。また、薬物中毒、毒物摂取、重度の下痢による重炭酸喪失時にも用いられます。経口投与は胸焼けや酸性胃炎の緩和、体内pH上昇の補助に一般的に用いられます。
留意点
- 投与中は定期的に血液pHを測定し、過剰投与によるアルカローシス(pH >7.45)を防ぐ必要があります。また、ナトリウム負荷が増えるため、ナトリウム摂取量にも注意が必要です。
