鎌状赤血球貧血の治療法:骨髄移植の仕組みと注意点
骨髄移植の仕組み
骨髄は骨の内部にある柔らかい組織で、赤血球を産生します。鎌状赤血球貧血患者では、異常なヘモグロビンのために鎖状の赤血球が作られます。骨髄移植は、健康なドナーから採取した骨髄を患者に移植し、正常な赤血球を産生させることで病気を根本的に治す治療法です(カイザー・パーマネント)。
適格な患者
メリーランド大学医療センターによると、骨髄移植が適用できるのは全患者の約7%に限られます。主に、重度の症状があるものの、まだ臓器障害が進行していない17歳未満の子どもが対象です。
ドナーの問題
移植には遺伝的に一致したドナーが必要です。国立骨髄ドナー・プログラムは、兄弟姉妹が最も適したドナーになる可能性が25%あるとしています。しかし、鎌状赤血球貧血は遺伝性疾患であるため、健康で遺伝子が一致する兄弟がいる確率は低くなります。家族内に適合者がいない場合は、国立骨髄ドナー・プログラムのレジストリから適合ドナーを探すことが可能です。ドナーとの適合度が低いと、合併症リスクが高まります。
成功率
カイザー・パーマネントのデータでは、骨髄移植は約85%のケースで鎌状赤血球貧血を根本的に治癒させます。移植後も生存はするものの、治癒に至らない患者は全体の約10%です。
リスク
骨髄移植には重大なリスクが伴います。移植された細胞に対して患者の免疫系が攻撃し移植失敗に至る「拒絶反応」や、移植細胞が患者の臓器を攻撃する「移植片対宿主病(GVHD)」が起こり得ます。さらに、感染症、けいれん、不妊などの合併症も報告されています。移植を受けた患者の約5%が手術中または術後に死亡します。
