右後脳動脈の役割とは?

右後脳動脈(PCA)は、脳の後方・下方に位置する後頭葉、側頭葉後下部、そして中脳などに血液を供給する主要な血管です。この動脈が正常に機能しないと、様々な神経症状が現れます。

視覚

PCAは後頭葉に血液を送ります。後頭葉は視覚情報を処理する領域で、ここへの血流が不足すると、視野欠損(暗点)や半盲(半側盲)が起こります。右側のPCAが障害されると、両眼の左側視野に視覚障害が現れます。左右両方のPCAが障害されると、重度の失明に至ることもあります。

記憶

PCAは側頭葉の下部にも血液を供給します。この領域は短期記憶の形成や感覚情報との統合に関与しています。右PCAが損傷すると、記憶喪失や物体・顔の認識困難が起こりやすく、特に新しい情報を記憶できない前向性健忘が典型的です。

意識・覚醒

PCAは視床にも血流を供給します。左右両側の視床が同時に障害されると、眠気や覚醒障害が現れます。右PCAだけが障害されても、左側の視床は左PCAから血液を受け取るため、機能は部分的に保たれます。

その他の機能

PCAは脾部(胼胝体の後部)や海馬など多くの脳構造も支えています。損傷により興奮性せん妄、読字障害、嗅覚障害、色覚異常が起こることがあります。また、運動麻痺が生じる場合、右PCAの障害は左半身に、左PCAの障害は右半身に影響します。言語障害は左PCAの損傷で起こりやすく、記憶障害は右PCAで顕在化しやすいです。

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