Virchow‑Robin空間と頭部外傷に伴う症状
Virchow‑Robin空間(VRS)は脳内の血管を取り巻く隙間で、正常な子供や成人にも存在しますが、加齢や特定の疾患・外傷により拡張しやすくなります。拡張VRSは認知機能低下や視覚障害など様々な症状と関連しています。
認知機能
2006年の『Brain Injury』誌の研究(Inglese ら)では、拡張VRS患者は処理速度が低下していることが示されました。また、2007年の『Journal of Affective Disorders』誌(Patankar ら)の研究でも、拡張VRSは高齢者の認知機能低下と関連していると報告されています。
視覚認知
Inglese らは、拡張VRS患者は視覚的認知精度が低く、注意力や視覚的キャンセル課題でも成績が劣ると指摘しています。ただし、対象は外傷性脳損傷(TBI)患者であるため、症状はTBI自体による可能性もあります。
運動協調性
2009年の『Neuropediatrics』誌(Brockmann ら)の小児研究では、拡張VRSが子どもの協調性障害や発達遅延と関連していることが示されました。
抗うつ薬抵抗性
Patankar らは、晩発性うつ病の高齢患者で拡張VRSが見られる場合、抗うつ薬への抵抗性が高まることを報告しています。
外傷性脳損傷(TBI)との関係
拡張VRSはTBI患者に頻繁に認められ、軽度TBIの約30%が長期にわたる後遺症を示すことがあります。拡張VRSはTBI後の瘢痕様変化と考えられます。
その他の疾患
拡張VRSはてんかん、脳炎、多発性硬化症、筋ジストロフィー、片頭痛などとも関連が示唆されていますが、因果関係は未解明です。
