脊髄損傷による痛みの緩和
脊髄損傷の痛みの理解
アラバマ大学バーミングハム校の脊髄損傷情報ネットワーク(SCI情報ネットワーク)によると、脊髄損傷に伴う痛みは大きく3つに分類されます。神経障害性疼痛は神経系の損傷に起因し、射撃痛・鋭い痛み・灼熱感として現れます。筋骨格系の痛みは椎骨の不安定、筋肉の過度使用、痙攣などが原因で、鈍く鈍痛として感じられます。内臓性疼痛は傷部位の上または下の腹部に燃えるような、または痙攣様の持続的な痛みです。これらの痛みは同時に生じることが多く、感覚が残っている部位でも、感覚が低下している部位でも痛みを感じることがあります。
治療プログラムの策定
SCIに伴う痛みの緩和は、薬物療法と適切な身体活動の組み合わせで行われます。場合によってはどちらか一方だけを用いることもあります。医師はまず患者の症状を詳しく聞き取り、痛みの原因を特定し、個別にカスタマイズされた治療計画を立てます。
治療オプション
神経障害性疼痛は最も対処が難しいとされています。主に使用される薬剤はアミトリプチリン、ノルトリプチリン、ガバペンチン(ニューロンチン)です。場合によっては、皮下にポンプを埋め込みクロニジンやオピオイドを一定量投与する方法、硬膜外ブロック、脊髄刺激装置の埋め込みも検討されます。
筋骨格系の痛みは、医師や理学療法士と協力し、痛みを悪化させる動作を調整します。具体的には、活動スケジュールを事前に組み、負荷のかかる行動の時間制限を設定するなどです。椎骨の不安定性が原因の場合は、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)やオピオイド、場合によっては手術が必要になることがあります。筋肉痙攣による痛みには、バクロフェンやジアゼパム(バリウム)などの薬が処方されます。
内臓性疼痛は原因が多岐にわたります。神経損傷が原因の場合は神経障害性疼痛と同様の薬物やオピオイドが用いられます。臓器の損傷が関与している場合は、排泄機能の調整や外科的治療が検討されます。詳細は担当医にご相談ください。
