MRIにおける反転回復技術の解説

磁気共鳴画像(MRI)とは

磁気共鳴画像(MRI)は、体内の脳・脊髄・心臓などを高精細に撮像する手法です。患者は強い磁場に入れられ、体内の水素原子核(プロトン)がスピンし、磁場と同調した信号を発します。ラジオ周波数パルスで磁化ベクトルを倒し、パルス終了後にプロトンが緩和する際に放出するRF信号を検出して画像を生成します。

反転回復(Inversion Recovery)とは

反転回復は、正常組織と異常組織のコントラストを高め、画像の判読を容易にする手法です。TI(反転時間)で正常組織の信号を抑制し暗く表示させ、病変組織は相対的に明るく映ります。また、脂肪組織の信号も抑制でき、診断の妨げになることを防ぎます。

反転時間(Inversion Time, TI)

ラジオ周波数パルス後に設定する時間間隔をTIと呼び、TIのタイミングで撮像すると正常組織が暗く、病変が明るく映ります。一般的なTIは約330ミリ秒ですが、患者ごとに最適なTIはTIスカウトと呼ばれる試験撮像で決定します。TIスカウトで最適TIを見つけた後、そのTIで撮影した画像が診断に適したコントラストを示します。

位相感受性反転回復(Phase Sensitive Inversion Recovery, PSIR)

PSIRは、TIスカウトが不要な最新の反転回復手法です。撮像プロセスが自動化され、個々の患者に合わせた校正なしで正常組織と病変組織、あるいは脂肪と周囲組織を区別できます。これにより、患者がMRI装置内で静止している時間を短縮でき、快適性と検査効率が向上します。

まとめ

反転回復技術は、MRI画像のコントラストを調整し、異常組織を際立たせる重要な手法です。TIの最適設定やPSIRの活用により、診断精度と検査時間の両方を改善できます。

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