結核性髄膜炎の治療
薬物療法
結核性髄膜炎の治療に最も適した抗結核薬は、イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミド、ストレプトマイシン、そして高用量のエタンブトールです。これらは髄膜の腫れがあっても脳脊髄液に容易に浸透します。次に使用される薬剤としては、シクロセリン、エチオナミド、アミノグリコシド系、PAS、チアセトゾン、カプレオマイシンがあります。新しい薬剤としては、イセパミシン、オキサゾリジノン系が使用されています。また、オフロキサシン、レボフロキサシン、シプロフロキサシンといったフルオロキノロン系や、リファペンチン(新しいリファマイシン系)も有効とされています。
近年の結核菌病理学の研究進展により、潜伏結核や慢性結核に対する強力な薬剤開発が期待されています。髄膜の炎症と線維化が強く出るため、ステロイド系抗炎症薬を併用し、標準的な抗結核療法を行うことが推奨されます。ただし、ステロイド投与は頭蓋内圧上昇、意識障害、脊髄障害、結核性脳症などの副作用に注意が必要です。
結核性腫瘍(結核腫)の治療には高用量ステロイドと長期間の抗結核薬が必要です。くも膜炎が合併した場合は、ヒアルロン酸分解酵素(ヒアルロニダーゼ)の硬膜内投与が有効と報告されています。いずれの場合も、複数の抗結核薬を組み合わせた多剤併用療法が基本です。
外科的処置
水頭症や神経機能低下が認められる患者は、できるだけ早期に脳室-心房シャント、脳室-腹腔シャント、または脳室ポンプの設置が推奨されます。早期手術は特に神経障害が軽度の患者で予後改善に寄与します。
小児における結核性髄膜炎
小児は成人に比べ副作用が少なく、肝障害のリスクも低いため、半年間の高用量抗結核薬治療に良好に反応します。その後、ステロイド併用で1年間の治療を行い、炎症による障害を抑制します。血栓症リスクを低減する治療法も検討されています。
治療期間
治療期間は症例により差がありますが、一般的には6か月から9か月が標準です。重症例や合併症がある場合は、最大で2年まで延長されることがあります。
