統合失調症と認知症の違いは何ですか?
用語の歴史
混乱の一因は、19世紀の科学者が使った用語にあります。E. Fuller Torrey 医師は『Surviving Schizophrenia』で、エミール・クレペリンが現在の「統合失調症」を「早発性認知症(dementia praecox)」と名付けたと述べています。この名称は「早期の認知症」を意味します。
統合失調症
統合失調症は重度の慢性精神疾患で、陽性症状と陰性症状があります。陽性症状は幻覚や妄想など現実に存在しない感覚の歪みで、陰性症状は無感動や社会的引きこもりといった、本来あるべき行動が欠如する状態です。
認知症
認知症は、病気や薬物などの直接的な生理的原因により引き起こされる複数の認知機能障害です。DSM‑IVやアルツハイマー病の研究によれば、75歳以降、特に85歳以上ではアルツハイマー型認知症の罹患率が上昇し、約20%が認知症と診断されます。一方、加齢に伴う記憶力の軽度低下は正常な老化現象であり、認知症とは区別されます。
原因の違い
アルツハイマー以外の認知症は、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病など多様な疾患や薬物・物質の使用・乱用が原因となります。統合失調症は特定の医学的疾患や薬物によって直接引き起こされるわけではなく、遺伝的・環境的要因が複合的に関与すると考えられています。
治療法
抗精神病薬(神経遮断薬)は統合失調症と認知症の両方で使用されます。統合失調症では妄想や幻覚などの症状緩和に、認知症では攻撃性やせん妄のコントロールを目的として処方されます。
