水頭症と球部麻痺の識別ガイド
概要
水頭症は脳脊髄液の流れが阻害されることで起こる疾患で、世界で約75万人が罹患しています。出生1,000人あたり3〜5人が発症し、出生後数週間から4〜8歳、さらには成人初期にも現れることがあります。水頭症に伴う球部麻痺は、飲み込みや発声に関わる神経が障害される症状群です。
診断・識別のポイント
- 嚥下障害と唾液の垂れ流し:飲み込みが困難で、食事中にむせたり、液体を飲むと窒息しやすくなります。
- 鼻音を伴う発声障害:子音の発音が不明瞭になり、鼻にかかったような声や鼻漏が見られます。
- 軟口蓋の筋力低下:「あー」と発声させて軟口蓋の動きを確認します。水頭症と球部麻痺では反射が鈍くなることがあります。
- 舌萎縮と四肢の病変:舌が萎縮し、四肢に病変があるか観察します。超音波やMRIで脳脊髄液の流れを評価し、シャント手術の適応を検討します。
- 小児の典型的症状:頭部の拡大、頭皮静脈の拡張、嘔吐、吸啜不全、甲高い泣き声など。成長した子供では四肢の脱力、肺炎の再発、頭痛、視力低下、眠気、知能低下、呼吸障害が見られます。
上記の症状や画像検査結果を総合的に評価し、必要に応じて脳脊髄液排出用シャントの埋め込み手術を検討します。
