聴神経腫瘍(音響神経腫)に伴う合併症
聴神経腫瘍(音響神経腫)は、脳内の第八脳神経にできる非癌性の徐々に成長する腫瘍です。多くは小さく症状を示さないものの、腫瘍が拡大すると聴力低下や平衡感覚の障害など様々な合併症を引き起こすことがあります。
影響を受ける部位
第八脳神経は、音を伝える蝸牛枝と、平衡感覚を司る上前庭枝・下前庭枝の三つの枝に分かれています。聴神経腫瘍は主に前庭枝に発生し、聴覚や平衡感覚に影響を与えます。
聴力低下
腫瘍が大きくなると脳幹を圧迫し、脳脊髄液の流れが妨げられ頭蓋内圧が上昇します。その結果、片側の突然の聴力低下(非対称性難聴)が生じることがあります。
耳鳴り(ティンパノス)
耳鳴りは多くの場合、聴力低下がある側の耳に現れます。薬物療法で軽減できることもありますが、症状が強く治療に反応しない場合は腫瘍除去手術が検討されます。
めまい・平衡感覚の障害
腫瘍が上前庭枝または下前庭枝に位置すると、バランスを保つ能力が低下し、最初は不器用さとして現れ、次第にめまいへと進行します。
顔面のしびれ・筋力低下
腫瘍が拡大すると三叉神経(顔面感覚)や顔面神経を圧迫し、顔面のしびれや筋力低下、麻痺が起こります。これらは腫瘍が脳幹に近づいているサインであり、外科的除去が必要になることが多いです。
