フックワーム感染症

フックワーム感染症は、腸内寄生虫であるアンキロストマ・デュオデナレ(Ancylostoma duodenale)とネクター・アメリカヌス(Necator americanus)が原因です。軽度の下痢や腹痛が一般的ですが、放置すると貧血や重篤な合併症を引き起こすことがあります。特に乳幼児、妊婦、栄養不良の人は注意が必要です。2002年の推定では、13億人が感染しているとされています。

分布

これらの寄生虫は温暖で湿潤な気候の地域に広く分布し、特に衛生状態が悪く糞便が土壌に使われる場所で大規模な流行が起こります。糞便中の卵が土壌に放出され、孵化した幼虫が感染源となります。20世紀には米国南東部で大規模な流行がありましたが、現在はコントロールされています。

感染経路

卵自体は感染力がありませんが、幼虫に孵化すると皮膚を通じて体内に侵入します。幼虫は皮膚に付着した土壌に触れるか、汚染された土壌を誤って摂取することで感染します。皮膚から侵入した幼虫は血流で肺へ運ばれ、呼吸器を経由して喉に上がり、最終的に小腸に到達します。小腸に到達した幼虫は約1週間で0.5インチ(約1.3cm)の成虫に成長し、腸壁に付着して血液を吸います。

リスクが高い人

土壌と頻繁に接触する人、特に人糞が混入した土壌に触れる機会が多い人はリスクが高いです。裸足で歩く人や、土を直接手で触る人も同様に危険です。子どもは土遊びや裸足が多いため特に注意が必要ですが、感染は人から人への接触ではなく土壌を介して起こるため、保育園や学校での集団感染リスクは低いです。

症状

感染初期には、幼虫が皮膚に侵入した部位にかゆみや発疹が現れます(「踏み跡症候群」)。軽度の感染では腹痛や軽い下痢程度ですが、重度の場合は貧血、激しい腹痛、頻繁な下痢、食欲不振、倦怠感、運動時の呼吸困難、著しい体重減少が見られます。慢性的な重度感染は成長障害や脳発達の遅れ、さらにはうっ血性心不全を引き起こすことがあります。

治療・予防

症状が疑われる場合は医療機関で便検査を受け、卵の有無で診断します。治療は医師が処方する薬剤で1〜3日間行い、効果は高く副作用は少ないとされています。貧血がある場合は鉄剤の投与が行われます。治療後に再度便検査を行い、完治を確認します。予防策としては、土壌との直接接触を避けることが重要です。作業時は靴や手袋などの防護具を着用し、裸足や裸手で土に触れないようにしましょう。

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