子どもの肝酵素上昇の原因と対処法

肝臓は人体で2番目に大きな臓器であり、代謝・解毒・栄養素の貯蔵など多くの重要な機能を担っています。肝細胞が損傷すると、酵素が血液中に漏れ出します。医師は血中の肝酵素値の上昇を手掛かりに、肝障害の程度や原因を判断します。子どもで肝酵素が上がる原因は、成人とは異なる疾患や状態が関与しています。

肝臓の役割

肝臓は体内に取り込まれたほぼすべての化学物質を処理・除去する「化学工場」です。過剰な濃度や肝臓が処理できない物質が蓄積すると、肝細胞が障害され、血中に酵素が漏れ出します。酵素濃度の上昇は肝障害の重要な指標となります。

子どもの肝酵素と成人の違い

肝障害の評価でよく測定されるアルカリホスファターゼ(ALP)は、子どもでは骨の成長に関与しているため、成人に比べて自然に高い値を示します。したがって、子どものALP基準値は年齢別に設定されており、正常範囲内かどうかは年齢に応じた基準で判断します。

黄疸

黄疸は、赤血球の再利用過程で生成されるビリルビンを肝臓が適切に処理できない状態です。肝臓の閉塞、ウイルス感染、先天的な肝機能不全などが原因となります。新生児は肝臓が未熟なためビリルビン処理が遅れ、黄疸を起こしやすく、光療法(光照射)でビリルビンを水溶性に変えて排泄させます。

ウイルス性肝炎

・肝炎Aは主に食糧・水を介して感染し、開発途上国で頻繁に見られます。米国ではアウトブレイク時に汚染された食物や水が原因で、病院や集団生活施設での感染リスクが高まります。
・肝炎B・Cは血液を介した感染で、米国では母子感染、輸血、医療現場での曝露が主な経路です。肝炎A・Bはワクチンで予防でき、肝炎Cは抗ウイルス薬による治療が可能です。

薬剤・化学物質中毒

肝臓は有害物質の代謝・解毒を行いますが、過剰摂取や特定の薬剤は肝細胞を直接障害します。代表的な例として、推奨量を超えるアセトアミノフェン(パラセタモール)やイブプロフェンは急性肝障害を引き起こすことがあります。また、一部の抗生物質や抗がん剤も肝毒性があります。中毒が疑われる場合は、原因薬剤の中止と肝臓の回復を待つ対症療法が基本です。

消化器の健康 - 関連記事