回虫検査の概要
回虫は成虫で約15センチメートルほどの小さな寄生虫です。卵や幼虫を摂取したとき(洗っていない野菜が主な感染源)にヒトの消化管に侵入します。回虫は感染者に慢性的な疾患を引き起こし、早期の診断と治療が重要です。
検査の種類
回虫感染の有無を調べる検査は、感染している回虫の種類や症状に応じて選択されます。主な感染症としてはトリヒノーシス、鞭虫症、アスカリ症、糞線虫症があります。これらの診断には筋生検、血液検査、便・痰の検査などが用いられます。
筋生検
トリヒノーシスなど特定の回虫を検出するために、筋組織のサンプルを採取し顕微鏡で幼虫を観察する筋生検が行われることがあります。採取は内視鏡や外科的手術で行われ、通常は血液検査や病歴(最近の食事内容)と併せて実施されます。
血液検査
回虫感染のスクリーニングにはELISA(酵素免疫測定法)と呼ばれる血液検査が一般的です。ELISAは回虫が産生する抗原を検出し、体内での感染を示す抗体反応を測定します。
排泄物検査
便や痰などの排泄物から回虫の卵や幼虫を確認する検査も行われます。便検査では、セルロファンテープを肛門付近に貼り付けて卵を採取し、顕微鏡で観察します。痰検査は肺や気道の感染が疑われる場合に実施されます。これらの検査は高精度ですが、培養や結果判定に数日要することがあります。
注意点
回虫は人よりも動物に感染しやすく、ヒトの消化管に長く留まらず、体内を移動して他の臓器へ侵入することがあります(臓器内幼虫移行、VLM)。VLMの症状には臓器の腫大、咳、発熱、喘息、肺炎、重症例では失明などがあります。これらの症状が出た場合や回虫が蔓延する地域に滞在した記憶がある場合は、速やかに医療機関で検査を受けてください。
