胆嚢摘出後症候群(PCS)について
胆嚢摘出術は毎年数千回行われる手術で、胆石による痛みや不快感の主な治療法です。胆嚢を摘出した後も多くの人は問題なく生活できますが、一部の患者は手術後に不快な症状を訴えます。これらの症状が慢性化・持続的である場合、胆嚢摘出後症候群(Post‑cholecystectomy Syndrome, PCS)と呼ばれます。
胆嚢摘出後症候群とは
PCSは胆嚢摘出手術後に起こる症候群で、手術前に存在した症状が残る場合や、手術後に新たに発生する症状が含まれます。
原因
胆嚢が無くなることで胆汁の貯蔵・調整機能が失われ、胆汁が過剰に上部消化管へ流れ続けることがあります。これにより胃炎や食道炎が起こりやすくなります。また、下部消化管へ胆汁が流れると下腹部痛や下痢を引き起こすことがあります。
罹患率
米国国立衛生研究所の調査によると、胆嚢摘出術を受けた患者の約40%が術後に何らかの腹部症状を経験するとされています。WebMDの報告では10〜15%がPCSと診断されますが、多くは追加の検査で別の診断が確定し、約95%が最終的に別の病名が付けられます。
症状
PCSの症状は多様で、発熱、吐き気、疝痛、腹部痛、ガス過多、下痢、消化不良、黄疸などがあります。特に胃部不快感や消化障害が頻繁に見られ、軽度から重度まで症状の程度はさまざまです。
治療法
治療は最終的な診断に基づきます。過敏性腸症候群(IBS)と診断された場合は食物繊維サプリメントや鎮静剤、抗痙攣薬が用いられます。慢性下痢にはコレスチラミンが有効です。胃食道逆流症(GERD)にはプロトンポンプ阻害薬やヒスタミン受容体拮抗薬、制酸剤が使用されます。症状が手術で改善できない場合は再手術が検討されることもあります。
