バレット食道の症状と兆候
概要
バレット食道は食道の粘膜が変化する疾患で、比較的稀です。胃酸の逆流(逆流性食道炎、GERD)に長期間さらされることで起こります。診断は内視鏡検査と組織検査(生検)により行われますが、症状がほとんどないため検査の主目的は胸やけや逆流症状の評価です。
症状・影響
バレット食道自体には特有の症状はありません。消化器系の不調としては胸やけ、嘔吐、吐き気などが見られ、これらはGERDによる食道の炎症が原因です。食道粘膜が腸様上皮に変化するため、将来的に異常細胞が増殖しやすくなります。
留意点
変化した粘膜はがん化する可能性がありますが、発生率は低く、全体の1%未満とされています。がんが進行すると食道以外の臓器やリンパ節へ転移する恐れがあります。
検査
GERD患者は40歳頃から上部消化管内視鏡検査(上部GI内視鏡)を受けることが推奨されます。検査は鎮静下で行い、カメラ付きの柔軟チューブを食道に挿入し、疑わしい部位から生検を採取します。病理医が組織を診断し、バレット食道の有無を判断します。
治療
がんが確認されていない場合は「経過観察」方針が基本です。定期的な内視鏡検査と、オメプラゾールなどの酸分泌抑制薬で逆流をコントロールします。高度な異常やがんが認められた場合は、光線力学療法(PDT)や内視鏡的粘膜切除(EMR)といった治療法が選択されます。PDTは光感受性剤とレーザーでがん細胞を破壊し、EMRは粘膜を持ち上げて切除します。
