胃に存在する酸とは何か?

胃で分泌される酸は塩酸(HCl)です。食事が入口に入ると、胃壁の壁細胞(壁細胞)から濃度の高い塩酸が分泌され(pH 約0.8)、酵素や塩類、水と混ざり胃液となります。この胃液は食物の消化を助け、最終的な胃内pHは1.5〜3.0の範囲に調整されます。

刺激(胃酸分泌のトリガー)

食べ物の味や匂いが迷走神経を刺激すると、壁細胞に信号が送られ、食事がまだ来ていなくても大量の胃液が分泌されます。

酸性環境の役割

胃でのタンパク質消化には酸性環境が必須です。酸はペプシノーゲンを酵素ペプシンに変換し、さらに食物中の有害菌を殺菌し、カルシウムや鉄といった必須ミネラルの吸収を助けます。

粘液層による保護

塩酸は皮膚を腐食させるほど強力ですが、胃壁は粘液層で覆われており、塩酸が直接胃細胞に触れないようにしています。感染症やNSAIDの過剰使用などで粘液層が損傷すると、胃酸が粘膜に直接作用し、胃潰瘍が発生します。

胸焼け(逆流)

食道括約筋が緩むと胃酸が食道へ逆流し、胸焼けを引き起こします。軽度の場合は制酸剤で胃酸を中和し、pH を上げますが、慢性化して逆流性食道炎(GERD)になると、プロトンポンプ阻害薬で酸分泌を抑制する治療が行われます。

小腸でのアルカリ環境

胃での酸性消化に続き、小腸では炭水化物の消化にアルカリ性環境が必要です。胃から送られた半消化食は膵臓から分泌されるアルカリ性の膵液で中和され、適切なpH が保たれます。

まとめ

胃酸は消化・殺菌・ミネラル吸収に欠かせない一方、粘液層や食道括約筋の機能が低下すると胸焼けや潰瘍といった症状が現れます。

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