大腸菌のラクトースリプレッサー:乳糖が遺伝子発現を制御する仕組み
ラクトースリプレッサーとは
ラクトースリプレッサーは、lacオペレーターに結合してlacオペロンの転写を阻害するタンパク質です。lacオペロンは乳糖の代謝に必要な酵素をコードしています。
乳糖が無いときの状態
細胞内に乳糖が存在しない場合、リプレッサーはオペレーターに強く結合し続け、RNAポリメラーゼがオペロン領域にアクセスできないため、転写は抑制されます。
乳糖が存在するときの変化
乳糖(正確には乳糖誘導体のアロラクトース)が細胞内に取り込まれると、リプレッサーの結合部位に結合します。これによりリプレッサーの立体構造が変化し、オペレーターから離脱します。
- リプレッサーがオペレーターから離れると、RNAポリメラーゼがlacオペロンに結合できるようになる。
- 結果としてlacZ、lacY、lacAの3遺伝子が転写され、β-ガラクトシダーゼ、ラクトース透過酵素、トランスアセチラーゼが合成される。
- 合成された酵素は乳糖をグルコースとガラクトースに分解し、細胞はこれらをエネルギー源として利用できる。
負の制御因子としての意義
ラクトースリプレッサーは遺伝子発現の負の制御因子の代表例です。DNAに結合して転写を阻害し、リガンド(ここでは乳糖)が結合すると解除され、遺伝子が活性化されます。
