治療が困難な発作(難治性発作)
定義
難治性発作とは、薬物療法で抑制できない発作のことです。一般に「制御不能」や「難治性」と呼ばれます。エピレプシー(てんかん)患者の約3分の1がこのカテゴリに入るとされ、発作の頻度や重症度が生活の質を著しく低下させ、薬剤に反応しないケースを指しますが、具体的な頻度基準は統一されていません。
原因
難治性と判断される主な理由は、①診断が誤っている、②治療法や投薬が不適切、③どの治療でも効果が得られない、の3つです。てんかん様発作に見えるが実際は失神、ミニストローク、睡眠障害、運動障害、パニック発作など他の疾患であることがあります。診断が誤っていれば薬は効きませんし、薬剤や投与量が不適切でも効果は得られません。真に難治性の発作は、薬剤だけでは抑えきれないほど強力である場合や、副作用のために薬を続けられないケースも含まれます。
治療法
薬が効果を示さない場合、外科的手術や代替療法が検討されます。発作の起点が脳の限られた領域にある場合、その部位を安全に切除する手術が行われます。また、頸部から胸部、腹部にかけて走る迷走神経を刺激する迷走神経刺激療法(VNS)は発作頻度を減少させますが、完全に消失させることは稀です。さらに、脂肪とタンパク質は多く炭水化物を極端に制限したケトジェニックダイエットは脳の代謝を変化させ、発作抑制に有効とされています。
予後
難治性発作でも、時間とともに症状が改善し、薬でコントロール可能になるケースがあります。特定の薬剤が効かなくても、外科手術やVNS、ケトジェニックダイエットなどの代替療法が効果を示すことが報告されています。
統計
Epilepsy.comによると、薬物や生活習慣の変更がなくても「難治性てんかん患者の5%(20人に1人)が毎年症状が改善する」ことが示されています。したがって、治療が難しいと感じても希望を捨てず、長期的な経過観察や代替治療を検討することが重要です。
