未熟児に見られる発達上の問題
世界保健機関(WHO)によると、毎年約1300万人の未熟児が誕生しています。妊娠37週未満で生まれた赤ちゃんは「未熟児」と分類され、健康面・行動面・感情面で様々な発達リスクが高まります。リスクの程度は出生時の週数や体重に左右され、早産でも問題が全く起きないケースもあります。子どもの発達を定期的に観察し、問題が疑われる場合は速やかに医師と相談して適切な治療を受けることが重要です。
呼吸器系の問題
出生後28週未満の未熟児は新生児呼吸窮迫症候群(NRDS)を発症しやすく、嘶音や浅い呼吸、皮膚の青紫色などの症状が見られます。症状は出生数分以内に現れることが多く、ハイリスクの赤ちゃんはすぐに人工呼吸器で管理されます。NRDSは慢性肺疾患である気管支肺形成不全(BPD)へ進行することがあり、在宅酸素療法で対処できる場合もありますが、肺に永久的な障害が残ると細気管支炎や肺炎のリスクが高まります。
視覚障害
妊娠31週未満、体重が約1.25kg以下で生まれた未熟児は、早産性網膜症(ROP)のリスクが高くなります。ROPは網膜の血管異常成長により、子ども時代に近視や緑内障を引き起こすほか、重症例では生涯にわたる視力障害や失明に至ります。幸い、患者の約90%は軽症で自然に改善しますが、治療が必要な場合はレーザー光凝固や凍結療法が行われ、血管の異常成長を抑制します。
社会的・行動上の問題
2016年のデンマークの研究(30,000人の子どもを対象)によれば、34〜36週で出生した子どもは注意欠陥・多動性障害(ADHD)の発症リスクが約70%高く、34週未満での出生はリスクが3倍になると報告されています。ADHDの子どもは授業や家庭で注意が散漫になりやすく、ミスや衝動的な発言が目立ち、周囲にストレスを与えることがあります。過度の多動や落ち着きのなさも問題となります。治療法としては、メチルフェニデート(リタリン)やアンフェタミン系薬剤(アデラル)などの薬物療法、目標設定と報酬を組み合わせた行動療法が有効です。
