ベータブロッカーは静脈瘤に影響する
発症メカニズム
肝硬変は肝臓が重度に線維化した状態で、門脈の血流が障害されます。門脈は胃・腸・脾臓から肝臓へ毎分約1500mlの血液を運搬しますが、血流が阻害されると血液が逆流し、胃・腸・脾臓の血管内圧が上昇します。その結果、胃や食道、腸に異常に拡張した静脈(静脈瘤)が形成されます。
ベータブロッカーの効果
New England Journal of Medicine の研究によると、ベータブロッカーは門脈圧を低下させ、静脈瘤からの出血を防止します。ただし、静脈瘤自体の形成を防ぐ効果はありません。
推奨事項
米国のガイドラインでは、肝硬変患者は全員が定期的に静脈瘤の有無を検査すべきとされています。静脈瘤が認められた場合は、非選択的ベータブロッカーの投与が推奨されます。また、出血既往がある場合でも、回復後に同様の薬を使用し再出血を防止します。投与量は、耐えられる最大量に調整してください。
副作用が現れたらすぐに医師に相談し、必要に応じて用量を変更してください。肝硬変で静脈瘤が認められない場合は、ベータブロッカーは不要です。
心臓に関する副作用
徐脈、心不全、房室ブロック、低血圧、運動耐性の低下などが報告されています。
その他の副作用
まれに気道収縮による呼吸困難、低血糖、嘔吐・下痢、手足の冷感、疲労、性機能障害、めまい、幻覚、悪夢、糖尿病リスク、うつ症状などがあります。
留意点
気道疾患(喘息など)を持つ方はベータブロッカーの使用は推奨されません。糖尿病の方も副作用に注意が必要ですので、必ず医師と相談し、異常があれば速やかに報告してください。
