幹細胞治療の最前線:心臓修復から脳腫瘍まで
心臓の損傷修復
心筋梗塞の患者から採取した心臓幹細胞を培養し、増殖させた細胞を損傷部位に移植する治療法が研究されています。臨床試験は数年先まで続くものの、すでに実験的手術が実施されています。骨髄由来の多能性幹細胞も筋細胞に分化でき、心臓修復への応用が期待されています。
膵臓機能の代替
米国医学会誌に掲載された研究によると、自己の幹細胞を用いた治療で1型糖尿病患者が自然にインスリンを産生し始め、注射が不要になるケースが報告されています。試験では15人の患者が成功し、以前のマウス実験でも治療後1週間で血糖値が正常に戻り、生涯にわたり正常範囲を維持しました。
腱・靭帯損傷の治療
幹細胞療法は腱や靭帯の損傷回復に有望とされています。馬を対象とした複数の試験で顕著な回復が確認されており、馬と人間の腱組織は構造が似ているため、これらの結果はヒトへの応用への重要な前兆と考えられています。
脳腫瘍の根治
神経幹細胞を脳腫瘍に注入すると、腫瘍から離脱しようとするがん細胞を追跡・除去できることが分かっています。遺伝子操作で免疫刺激物質を細胞に組み込むことで、正常な脳組織を傷つけずにがん細胞と接触した瞬間に死滅させることが可能です。
マウスの鎌状赤血球症の治癒
マウスの皮膚細胞から作製した胚性幹細胞を用いて、鎌状赤血球症を根本的に治療する方法が確立されました。健康な胚性組織を体内に注入すると、正常な血球が生成され、変形した赤血球による酸素欠乏の影響が消失しました。
