反射性交感神経ジストロフィ(RSD)/複合性局所疼痛症候群の症状と対策
反射性交感神経ジストロフィ(RSD)は、複合性局所疼痛症候群(CRPS)とも呼ばれ、筋肉・骨・皮膚に疼痛を引き起こす慢性疾患です。外傷や手術後に発症することが多いものの、明確な原因が見つからないケースもあります。症状は時間とともに悪化し、自然に軽快した後でも数年後に別の部位で再発することがあります。
原因と理論
RSDの正確な原因は不明ですが、外傷や手術により中枢・末梢の神経系の調節が乱れるという説が有力です。報告されている要因には、心筋梗塞や心疾患、感染症、片側麻痺、脊髄障害、外傷、手術、手根管症候群などの反復動作障害があります。患者の約20%は原因不明(特発性)とされています。通常は外傷を受けた四肢から始まり、徐々に他の部位へ広がることがあります。
経過とステージ
RSDは大きく3つのステージに分かれます。
- 急性期(1〜3か月):激しい疼痛と炎症が主に現れます。
- 変性期(3〜6か月):疼痛が持続し、皮膚や筋肉の変化が顕著になります。
- 萎縮期(6か月以降):組織の萎縮や機能低下が進行します。
症状のタイプ
神経系が関与する場合
焼けつくような疼痛、皮膚の赤変や青変、温度感覚の異常(熱く感じる・冷たく感じる)、触覚過敏(軽い刺激で激しい痛み)がみられます。疼痛は間欠的でも持続的でも構いません。
免疫系が関与する場合
関節部の疼痛、腫脹、紅斑が現れ、感染症が併発することもあります。
運動系が関与する場合
筋肉の痙攣や振戦、四肢の脱力、動作開始の困難さが特徴です。
診断方法
RSDは診断が難しく、同様の症状を示す他疾患を除外する必要があります。診断のポイントは以下の通りです。
- 詳細な既往歴の聴取
- 軽い刺激で過度な疼痛が誘発されるかを確認する神経学的検査
- 骨シンチグラフィー、MRI、血液検査などの画像・検査結果の総合評価
治療と予防
症状緩和と機能回復を目的とした治療法は多岐にわたります。
- 非ステロイド性抗炎症薬やモルヒネなどの鎮痛薬
- 筋痙攣や硬直を緩和する筋弛緩薬
- 理学療法による可動域と筋力の維持・向上
- 疼痛伝導を遮断する神経ブロック
- 重症例では外科的介入(神経切除や血流改善手術)
- 低周波刺激装置(TENS)による脊髄への微弱電流で疼痛信号を短絡
早期の診断と適切なリハビリテーションが、長期的な機能障害の予防に重要です。
