アルコール離脱とは何か?

原因

長期にわたる過度の飲酒は脳に強い影響を及ぼし、離脱症状を引き起こすことがあります。アルコールは脳内のGABA受容体に結合し、神経の発火を抑制して鎮静作用をもたらします。大量に飲むとこの抑制が常態化し、脳はバランスを取るために興奮性神経伝達物質の産生を増やします。飲酒量が急激に減少または停止すると、抑制が失われ、興奮性伝達物質が過剰に働き、離脱症状が現れます。

症状

アルコール離脱は飲酒をやめてから5〜10時間後に始まりますが、最長で1週間遅れることもあります。主な心理的症状はうつ、焦燥、不安、感情の変動、イライラ、疲労、認知障害です。身体的症状としては頭痛、食欲不振、嘔吐、顔面蒼白、冷や汗、発汗、瞳孔拡大、頻脈、不眠、震えなどがあります。重症例では高熱、せん妄(幻覚・錯乱)、痙攣、発作が起こり、最悪の場合は死亡に至ります。

治療

重篤な症状が予想される場合は、適切な医療機関での治療が必要です。治療は離脱症状の緩和と合併症の予防、さらにアルコール依存そのものへの対処を目的とします。入院中はバイタルサインや精神状態を継続的にモニタリングし、アルコール関連疾患の検査も行います。症状が強い場合はベンゾジアゼピン系薬剤で抑制し、せん妄が出た際は抗精神病薬を併用します。症状が落ち着いたら飲酒を控え、カウンセリングやリハビリテーションを開始します。

リスクが高い人

子どもやティーンエイジャーでも起こり得ますが、主に成人に見られます。男性で1日5杯以上、女性で4杯以上の過度な飲酒は、飲酒中止時に離脱症状が出るリスクを大幅に高めます。男性に多く見られ、未治療の場合の死亡率は約20%です。早期診断と治療により死亡率は1〜5%に低下します。肝硬変など既往症がある人は、死亡リスクがさらに高くなります。

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