薬物乱用治療における動機付けを高める方法

はじめに

数年前まで、精神保健の専門家は変化を望まない薬物乱用者に対してほとんど希望がないと考えていました。動機は「ある」か「ない」かの二元論とされ、動機がない場合はどんなアプローチも効果がないとされていました。近年、薬物乱用治療の専門家はこの前提を見直し、動機は週単位、日単位、さらには時間単位で変動する「流動的なプロセス」と捉えるようになりました。そして、効果的なカウンセラーの役割は、クライアントの動機を高めることにあると考えています。

必要なもの

  • ミシガンアルコールスクリーニングテスト(MAST)や簡易薬物乱用スクリーニング(SSI‑SA)など、客観的な薬物乱用評価ツール
  • 薬物乱用と治療オプションに関する書面情報

手順

  1. クライアントの包括的な評価を実施します。客観的なスクリーニング結果と、共感的なオープンエンド質問を組み合わせ、使用状況と本人の認識を把握します。

  2. クライアントの変化への動機を評価します(「変化の段階」参照)。動機のレベルに合わせて介入を調整し、問題を認識していない場合にすぐ治療を勧めないようにします。

  3. 評価ツールのスコアについて客観的なフィードバックを行い、同時にクライアントの強みや変化への準備段階を肯定的に評価します。

  4. 変化はクライアント自身の選択であることを説明し、支援はするが強制はしない旨を伝えます。クライアントに要点を要約させ、自己動機付けの発言に注目します。

  5. 助言や選択肢を提示する許可を得たうえで、飲酒・薬物使用の削減や禁断に関する資料、地域の治療プログラム情報を提供します。選択肢を提示することで、最終決定のコントロールをクライアントに残します。

  6. クライアントが次のステップへ進むよう促します。たとえば、問題を熟考する段階(熟考期)から入院治療へ移行する段階(実行期)への移行を支援します。

動機付けは継続的に評価し、適切なサポートを提供することで、治療成功率を高められます。

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