薬物過剰摂取が引き起こす呼吸障害

呼吸器系

呼吸器系は脳の自律神経、横隔膜や肋間筋など複数の要素が連携して機能します。外傷や薬物の過剰摂取などでこのバランスが崩れると、呼吸に障害が生じます。

徐呼吸(呼吸数低下)

バルビツール酸系薬、鎮静剤、フェノチアジン系薬の過剰摂取は、呼吸中枢を抑制し、呼吸数が10回/分以下になる「徐呼吸」を引き起こすことがあります。成人の正常呼吸数は1分あたり12〜20回です。徐呼吸は酸素供給不足を招き、過度の眠気や意識消失、最悪の場合は呼吸停止に至ります。

速呼吸(過呼吸)

アスピリンや中枢神経刺激薬(アンレプティック)などを大量に摂取すると、血中の二酸化炭素が急激に減少し、過呼吸(過換気)が起こります。結果として脳への血流が低下し、めまい、失神、息苦しさを感じます。

呼吸停止

呼吸が5分以上続かない状態は「呼吸停止」と呼ばれ、脳や他の臓器に不可逆的なダメージを与える危険があります。ヘロインの大量摂取やニコチンの過剰使用は、呼吸筋を麻痺させて呼吸停止を引き起こすことがあります。

浅い呼吸

呼吸が浅く、十分な換気ができない状態です。モルヒネ、コデイン、ヘロインなどのオピオイド系薬剤やメサドンの過剰摂取で起こります。

肺水腫

オピオイド過剰摂取は肺に余分な液体がたまりやすく、特にヘロインで顕著です。コカイン、クラック、ダーヴォン、メサドン、ヌベイン、サブテックス、ナルカン、コデインの過剰摂取でも肺水腫が報告されています。症状はピンク色の泡状分泌物と呼吸困難です。

対処と救急医療の必要性

呼吸に異常を感じたら、すぐに救急車を呼び、医療機関での処置が必要です。過呼吸や徐呼吸、呼吸停止の兆候は命に関わるため、早期の介入が重要です。

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