聴覚検査の読み方とポイント

はじめに

耳の聞こえにくさやめまい、平衡感覚の異常などの症状がある場合、聴覚検査は原因部位や治療方針を把握する重要な手段です。プロのパイロットやトラック運転手、軍人、警察官などは年に一度の検査が義務付けられており、騒音の多い職場でも定期的なスクリーニングが行われます。検査結果を正しく理解すれば、現在の聴力低下の程度や、より深刻な疾患の兆候を早期に発見できます。

聴覚検査結果(オーディオグラム)の読み方

  1. ステップ 1: オーディオグラムの全体像を確認

    医師の画面または紙のチャートで完成したオーディオグラムを見ます。横軸は音の周波数(低音から高音まで)、縦軸はデシベル(音の大きさ)を示します。右耳・左耳の最聴閾(MCL、UCL)や言語認識スコア(%)、必要に応じてSINスコアも別枠で表示されています。

    左上から順に、125〜500 Hz(低周波)、750〜1500 Hz(中周波)、2000〜8000 Hz(高周波)が示されています。縦軸は-20 dB から 120 dB までです。

    この図は、各周波数を最も静かな音で聞き取れるレベルをプロットしたものです。250〜8000 Hz の範囲は人間の会話音全体をカバーし、デシベル値が高いほど聴力低下が大きいことを示します。

  2. ステップ 2: 耳別のマーカーを確認

    右耳は赤または黒の「O」、左耳は青または黒の「X」で示されます。各周波数でどのレベルまで聞こえたかが一目で分かります。

  3. ステップ 3: デシベル側で聴力レベルを判断

    縦軸(デシベル)を見ると、聴力の程度が分かります。

    • -20〜25 dB:正常聴力
    • 25〜50 dB:軽度〜中等度の難聴
    • 50〜75 dB:中等度〜高度の難聴
    • 75〜90 dB:重度の難聴
    • 90 dB 以上:深刻な難聴(実質的に聾)

    周波数ごとに異なるレベルが出ることもあり、疑問があれば担当医に説明を求めましょう。

  4. ステップ 4: 骨導検査(< と >)の位置を確認

    オーディオグラム上に赤・青で示された「<」または「>」の記号は骨導音の結果です。空気導音(O・X)とほぼ同じ位置にあるのが正常です。骨導が大きくずれている場合、内耳や中耳に炎症、液体、腫瘍、鼓膜損傷などの病態が疑われます。ずれが認められたら、医師に原因の検討を依頼してください。

  5. ステップ 5: 言語認識スコアを評価

    正常聴力の場合、スコアは90%以上が期待されます。低い場合は追加検査が必要です。

    難聴がある場合、スコアは補聴器で得られる言語理解度の目安になります。中等度〜高度の難聴で20%以下のスコアは、聴神経障害の可能性があるため、補聴器装用前に検査が推奨されます。深刻な難聴でスコアが低い場合は、補聴器の効果が限定的であることを示します。

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